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うらかわ園芸通信 No.55 2026秋号
うらかわ園芸です。朝晩少しずつ涼しくなり、秋の気配を感じる季節になりましたね。
10月は過ごしやすい日も増えて、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋・・・と、いろいろ楽しみたくなる時期です。
季節の変わり目でもありますので、体調に気をつけながら、残り3ヶ月元気に過ごしていきましょう。
四季を彩る花暦 行事と節句の迎え
今回は「日本の節句の伝統」を紹介していきたいと思います。
節句は、季節の変わり目に邪気を払い、家族の健康や幸せを願う行事です。もともとは中国の暦や風習が日本に伝わったもので、日本では古くからの神事や農耕文化と結びつき、独自の形に発展しました。
特に代表的なものが「五節句」です。
1月7日・七草、3月3日・桃、5月5日・端午、7月7日・七夕、9月9日・重陽で、それぞれ季節の植物や食べ物を取り入れて、無病息災などをねがいました。
また、節句の行事では、花や植物を飾ることにも意味があります。
例えば、正月には松を飾ります。松は冬でも緑を保つことから、生命力や長寿の象徴とされてきました。
このように、節句は、単なる季節の行事ではなく、自然の恵みに感謝し季節を感じながら家族の健康や暮らしの安泰を願う、日本独自の文化として受け継がれてきたものです。
正月の花
正月には門松や花などを飾り、新しい年を迎える準備をします。特に正月の祝い花には、松・竹・梅をはじめ、菊や椿、万年青など縁起良いとされる植物が使われます。また、花や植物の組み合わせにはそれぞれ意味があり、新しい年への願いや健康、長寿、繁栄などの思いが込められています。
節分の花
節分は、もともと立春の前日を指します。昔は、節分の日に「追儺(ついな)」という行事が行われていました。追儺は古代中国から伝わった儀式で、大晦日に悪いものや災いを追い払うために行われていたものが日本に伝わり、平安時代には宮中で行われるようになりました。
その後、追儺の行事から現在の「鬼は外、福は内」という豆まきの習慣につながっていったと考えられています。
また、昔は鬼を追い払うために豆だけでなく、柊(ひいらぎ)の枝やイワシの頭なども使われていました。柊の葉のトゲやイワシのにおいを鬼が嫌うと考えられていました。
上巳の花
3月3は『上巳の(じょうし)の節句」と呼ばれ、現在では「雛祭り」として親しまれています。もともとは中国で、3月3日に身を清め、桃のお酒などで邪気を払い健康を願う風習がありました。
この習慣が日本に伝わり、桃の花は春を代表する花として親しまれるようになりました。桃の花には「災いを払い、穏やかに過ごせますように」という願いが込められているのです。
花見の花
桜は日本人にとってなによりも春を代表する花で、国花でもあります。
太古のからの春の訪れが順調かどうかは、秋の農作物の収穫を左右する重要な関心ごとでした。各地方には、もっと勢いよく咲くよう、神に祈りが届くように花の下で囃したてたり歌ったり、また咲いたあとは静かに散ってくれるよう願う風習がありました。今でも毎年桜前線がどこまで来たかと心待ちにして、桜が咲き出すと私たちはお花見をします。農業との繋がりを知らない人が多くなった現代でも、日本人にとってはやはり特別な花なのです。
端午の花
5月5日は「こどもの日」です。もともとは「端午の節句」と呼ばれ、子供たちの健やかな成長や健康を願う、日本の伝統的な行事として親しまれてきました。
端午の節句では、昔から「菖蒲(しょうぶ)」が大切にされてきました。
菖蒲は香りが強く、古くから邪気を払い病気や災いから身を守る植物として考えられていたため、菖蒲を飾ったり菖蒲をお風呂に入れて「菖蒲湯」として楽しんたりする風習があります。
重陽の花
9月9日は「重陽の節句」と呼ばれ、古くから大切にされてきた節句の一つです。「9」という陽の数が重なることから、めでたい日とされ長寿や健康を願う行事が行われてきました。
中国では、菊の花びらを浮かべた「菊酒」を飲み長寿を祝う風習がありました。日本にも平安時代の頃に伝わり、宮中では菊の花を飾ったり菊酒を楽しんだりする行事が行われていました。
菊は邪気を払い、長寿をもたらす花と考えられてきたため、重陽の節句には欠かせない存在です。現在では、秋の訪れを感じさせる菊を愛でながら、健康や長寿を願う日として親しまれています。
今回は『行事と節句の迎え花』を参考にさせて頂きました。
昔から日本では、行事や節句に合わせて花を飾り季節の移り変わりを楽しんできました。
特別な花を用意しなくても、身近にある花や草木を1輪飾るだけで、いつもの暮らしに季節感が生まれます。
これからも四季の変化を楽しみながら、花を通して季節を感じる時間を大切にしていきたいですね。
参考文献:荒井務 編『行事と節句の迎え花』婦人画報社、1998年
編集後記
今回ニュースレターを担当しました由井です。
1月に生まれた長男もまもなく9ヶ月。上の5歳になるお姉ちゃんが一生懸命弟のお世話している姿を眺めていると、「子供の成長って本当にあっという間なんだなぁ」「この2人はどう成長していくんだろう」と物思いにふける日々を過ごしています。
またこの1年、仕事に育児に頑張っていこうと思う親父でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。





